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45歳以上「超高齢出産」の実態を初調査 合併症リスクは高く注意深い管理が必要

   35歳以上の「高齢出産」では母体や胎児に様々なリスクが高まるが、45歳以上の「超高齢出産」ではどうだろうか。40歳代の出産も珍しくない現在、国立成育医療研究センターが2017年11月11日、初の「超高齢妊婦」の実情調査を発表した。

   30代に比べ、「妊娠合併症」のリスクは約2倍高まるが、死産・胎児死亡のリスクに差はなかった。研究チームは「特に45歳を境にリスクが顕著になるので、主治医と相談して注意深く管理することが必要」と呼びかけている。

生まれてきた赤ちゃんにママの年は関係ないが...
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ジャガー横田、野田聖子、坂上みきさんらが出産

   45歳以上の著名人の高齢出産というと、タレント・プロレスラーのジャガー横田さんが45歳で第1子の男児を、作家・シャンソン歌手の戸川昌子さんが46歳で第1子の男児を、女優加藤貴子さんが46歳で第2子の男児を、政治家野田聖子さんが50歳で第1子の男児を、タレントの坂上みきさんが53歳で第1子の男児を出産している。

   国立成育医療研究センターの発表資料によると、近年、妊婦全体に占める40代の割合が増加しており、40~44歳での出産が5.2%、45歳以上での出産が0.1%を占めている(2015年・厚生労働省調べ)。しかし、45歳以上の「超高齢妊婦」の実態については、これまで報告例がほとんどなかった。

   そこで、日本産科婦人科学会の周産期データベースに登録された30歳以上の36万5417人のデータを対象に研究を行なった。内訳は、30~34歳が20万4181人、35~39歳が13万1515人、40~44歳が2万8797人、45歳以上が924人だった。ただし、明らかな「胎児形態異常」と「多胎症例」(双子や三つ子)のケースは対象から除外した。

   その結果、母体年齢が高くなるほど、妊娠合併症のリスクは高くなった。具体的には次の通りだ。

(1)45歳以上の妊婦は、30~34歳の妊婦に比べ、「妊娠高血圧腎症」(旧:妊娠中毒症)になるリスクが1.90倍高い。妊娠高血圧腎症とは、タンパク尿を伴う血圧の上昇により、突然けいれんを起こすことがあり、緊急帝王切開を行なう場合もある。

(2)45歳以上の妊婦は、30~34歳の妊婦に比べ、「前置胎盤」になるリスクが2.19倍高い。胎盤は、母体と胎児をつなぐ血液・酸素・栄養のとても豊富な組織。前置胎盤は、その胎盤が胎児よりも子宮の出口付近に位置するため、ほぼ100%帝王切開になる危険性の高い妊娠だ。

(3)45歳以上の妊婦は、30~34歳の妊婦に比べ、「帝王切開」になるリスクが1.71倍高い。

(4)早産・未熟児出生のリスクは母体の年齢が高いほど上昇するが、45歳以上の妊婦は、30~34歳の妊婦に比べ、それぞれ1.22倍、1.18倍と、それほど高くなかった。また、死産や胎児死亡のリスクは、母体の年齢が高くなっても影響はなかった。つまり、生まれてくる赤ちゃんの予後(健康度)に関しては、高齢出産による影響は小さい。

(5)高齢出産のリスクは、妊娠方法や妊娠経験によって異なる。たとえば、帝王切開のリスクは初産だと、年齢が高くなるほど上昇するが、経産婦では変化はみられなかった。

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