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最先端医療のデザイン、ロボット医療の未来はどうなる Aging Style×GOOD DESIGNトークレポート(9)

「最先端医療とデザイン」トークイベント
「最先端医療とデザイン」トークイベント

   最先端医療の技術とデザインは、ともに進化している――。2017年12月1日にAgingStyleはGOOD DESIGN Marunouchiと共催でトークイベントを行い、医師とデザイナーに「最先端医療のデザイン」をテーマに講演してもらった。

新型医療用ロボットやARをつかった治療が実現する?

   イベントでは2人のパネリストが講演した。一人目は、手術支援ロボット・ダヴィンチで心臓手術を行い「心臓外科のブラック・ジャック」とも呼ばれる心臓血管外科医の渡邊剛(わたなべ・ごう)氏。

   渡邊氏は、32歳のときドイツで日本人として最年少心臓移植執刀医として実地の手術を2年半担当した。手術支援ロボット「ダヴィンチ」を使った手術の第一人者であり、世界のベストドクターにも選ばれている。

渡邊剛さん
渡邊剛さん

   ダヴィンチのプロトタイプが発表されたのは、1994年。年々バージョンアップされ、いまでは患部を3Dビジョンで確認でき、直径2ミリの血管も縫い合わせられるような細かな動作も可能になっているという。デザインもスマート化されている。ダヴィンチによる内視鏡手術のメリットは、傷あとが少なく術後の回復が早いことだと渡邊氏は話す。

「現在、世界各国でダヴィンチのような内視鏡手術ロボットが開発されています。日本でも神奈川県の「相模原ロボット産業特区」などで開発が進められています。私も協力していますが、まだこれからといった印象です」

   将来は、ベッドの横に取り付けられて、患者の手術からその後の体調管理まですべてこなせる医療用ロボットが開発されたり、AR(拡張現実)を使った治療が生まれたりなど、医療の進歩は、テクノロジーの進歩と連動していると強調した。

   また、渡邊氏は患者に入院生活を快適に過ごしてもらえるよう、病室や食事をデザインすることも大切だと考えている。3年前に東京都杉並区に開院した「ニューハートワタナベ国際病院」は、高級ホテルからようにリラックスできる内装や、味だけでなく見た目にも満足できる食事を提供できるようにとこだわった。

作り手のマインドが感じられるデザイン

   次に、2017年度グッドデザイン賞の医療系デザイン審査員を務める安次富隆(あしとみ たかし)氏が講演した。

安次富隆さん(右)
安次富隆さん(右)

   安次富氏は、ソニーのデザインセンターを経て、1991年に独立。多摩美術大学生産デザイン学科プロダクトデザイン学の教授も務め、情報機器や家電製品などのエレクトロニクス商品のデザイン開発、地場産業開発、デザイン教育などの総合的なデザインアプローチを行っている。

   審査をしていて感じたことは、どのようなマインドをもって作られているかがデザインに表れるということ。シャープで清潔感のあるイメージをもつ医療用品でも、どこか作り手のやさしい雰囲気を感じられるのが良いデザインの不思議なところだとした。

   トークセッションでは、安次富氏から「ロボット医療の進歩が目覚ましいが、どれくらいの外科医がダヴィンチを使いこなせているのか」という質問が。渡邊氏は、「ロボットを使っても外科医の技術が急に向上するわけではない。きちんと使いこなせている医師はまだ少ないと思う」と言い、今後の医療の発展には、技術力だけでなく医師のスキルアップも欠かせないとした。

医師・専門家が監修「Aging Style」

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Aging Style×GOOD DESIGNトークレポート(9)

2018年1月現在、49名の医師や専門家が「Aging Style」に参加しています!

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