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鏡に映る自分は無意識に「いい顔」している? 理想の自分と現実の違い

 自分の顔の記憶は都合良く歪んでいる

   また、鏡に映った自分は無意識に「いい顔」をしているものです。無意識のうちに意識しているということでしょうか。逆に、本当に意識しないで写真に撮られた顔が、自分で思っているよりも疲れていたり、老けて見えたりするのはそのためです。

   最近ではスマホで自撮りをしてSNSにアップすることは日常的になってきました。そのたびごとに自分の顔写真を補正するなんてこともよくあるでしょう。あなたの顔の記憶は、親しい友人が記憶しているあなたの顔よりも不正確です。そもそも自分の顔は、目は少しだけ大きく口は少し小さく記憶されている傾向にあることが心理学の実験を通じて示されています (1)。

   スマホがこれほどまでに普及する以前の実験結果ですが、自分の顔を都合良く記憶している証拠の一つなのかもしれません。

   理想と現実に違いが生まれるのは、本当の自分の姿は意外と見えていないということも一つの要因でしょう。
[執筆:川畑秀明 慶應義塾大学文学部心理学准教授]

かわばた・ひであき/専門は感性心理学、認知神経科学。主観性と経験価値の心理とその脳メカニズムを研究し、主に、芸術、美、魅力、ユーザー・エクスペリエンス、デザイン、ユーザビリティ、感性教育、鑑賞行動の解明に努める。ヒトの主観はあいまいで非常に影響を受けやすいため、その影響の関係や因果性に関する心と脳の働きを明らかにし研究に活かす。著書に『脳は美をどう感じるか―アートの脳科学』(ちくま新書)がある。

医師・専門家が監修「Aging Style」

参考論文
(1)Wen, W., & Kawabata, H. (2014). Why am I not photogenic? Differences in face memory for the self and others. i-Perception, 5(3), 176-187.

この記事の監修・執筆医師

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