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患者の呼気からウイルスが拡散している? 米研究者ら、インフルエンザの空気感染リスクを指摘

   米メリーランド大学をはじめとする研究チームは、インフルエンザの感染ルートに、感染者のくしゃみや咳に由来する「飛沫感染」だけではなく、感染者が呼吸をするだけでウイルスを周囲に散布してしまう、「空気感染」も含まれる可能性があるとする研究結果を発表した。

呼吸をするだけでウイルスをばら撒いていた?
呼吸をするだけでウイルスをばら撒いていた?

   インフルエンザはインフルエンザウイルスが原因となる感染症。ウイルスに感染することで発症するため、その感染ルートは飛沫感染の他に、感染者やウイルスが付着したものを触り感染してしまう「接触感染」などが挙げられる。

   空気感染の可能性を指摘する声もあったものの、データが乏しいこともあり、はっきりとしたことはわかっていなかった。

   そこで、空気感染のリスクを精査するべく、メリーランド大学やサンノゼ州立大学、ミズーリ・ウェスタン州立大学、カリフォルニア大学バークレー校の研究者らが米疾病管理予防センター(CDC)と国立衛生研究所の資金提供を受け、各大学で被験者を集め、調査を行った。

   調査では咳やくしゃみ、鼻水が出るといった急性呼吸器疾患の症状を示していた患者355人のうち、インフルエンザと診断された142人を対象に、診断から1~3日目までの呼気(30分間)、咳、くしゃみをした際の気体サンプルを採取。

   サンプルの分析を行い、検出可能なウイルスのRNAが含まれている量によって、感染リスクを検討している。

   その結果、咳やくしゃみのサンプルから高い感染リスクがあること示す量のRNAが検出されただけでなく、呼気から得られたサンプル23例のうち、11例でウイルスのRNAが確認。さらに11例中8例は十分な感染力を有していることもわかったという。

   研究者らは、これらの結果が、常に手を洗う、咳をしている人を避けるといった方法だけではインフルエンザを完全に防御できないことを示唆しているとしつつ、「オフィスや学校、公共交通機関の換気システムを改善することで、発症リスクをより抑制できることができるのではないか」とコメントしている。

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