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トップアスリート担当医師から学ぶ、ケガ・疾患に負けないスキンケア 上田由紀子先生(ニュー上田クリニック院長、国立スポーツ科学センター)

スキンケアから感じる不調のサイン

上田由紀子先生
上田由紀子先生

塩谷 具体的に教えてください。

上田 朝起きてから顔を洗い、化粧品をつけて一日が始まります。そして、夜はしっかり保湿をしてから寝る。それができているときは心も体も健康だということです。いつもやっていることが、できていないときは不調のサイン。思わぬところでケガをしないように、心が忙しいか体が疲れているか、自分自身を振り返ってみてね、と選手に伝えています。

塩谷 毎日のスキンケアが、スポーツ選手の心の健康にも役立つとお考えなんですね。ところで、先生は企業と協力して化粧品の開発などにも携わっていらっしゃるとか。これまでに実用化されたものは? 

上田 ひとつは、日焼け止めです。選手たちのアンケートをフィードバックして企業とともに考えてきました。
もとは医療関係者用に開発されていたものをベースに、べたつかなくて保湿力が高いハンドクリームを開発した例もあります。手を使う競技では、手荒れが悩みのひとつです。ハンドクリームをつけたくても、手が滑ってしまうので使えないという選手の悩みに着目しました。
また、テーピングテープのかぶれを防ぐために、従来は、はがした後に保湿するしか方法がありませんでしたが、貼る前に塗っておくと、テープの密着度が高まるといった保湿剤も生まれました。

塩谷 まさに、アスリート特有の悩みに応える商品づくりですね。最近の傾向はいかがですか?

上田 医療用からスポーツ用へ改良された製品が増えてきたという印象があります。東京オリンピックを控えていることもあるのかもしれませんが、各メーカーがスポーツに着目した商品開発に取り組んでいることは、選手たちにとって幸せなことだと思います。
医師の立場から見ても、新しい研究が進むことは、治療しやすくなることにつながるので、企業との連携は今後も必要だと思っています。

塩谷 運動の健康効果はどうお考えですか。

上田 アスリートを診ていると、30歳でもひざを痛める人が多いです。一般の人は、若いときにひざの軟骨を減らすような、激しい運動は避けた方がいいと思っています。
運動が重要なのは、筋肉が減り始める50歳くらいから。筋肉が一定量あることが大切なので、自分の体力に見合った筋肉量を維持する運動を続けることをおすすめします。

塩谷 先生は何か運動されていますか。

上田 私は運動が苦手なので、無理なく筋力を維持できるものがないかと探しました。そこで、パワープレートⓇを使っています。10〜15分程度のトレーニングで、ジムでの1時間分の運動と同じ運動効果が期待できるなど、短時間で効果的な筋力トレーニングが可能なマシンで、クリニックに来る患者さんにも結構人気があるんですよ。

塩谷 本来、運動は皮膚にはいいものなんですよね。

上田 汗をかくことによって、新陳代謝がよくなるし、毛穴から老廃物の排出も促されます。逆に、スキンケアが筋肉に与える影響も注目されていて、皮膚を保湿すると、浅い筋肉に影響して柔軟性が増すと考えている研究者もいます。

塩谷 アスリートたちの経験から得られた知見は、一般の人にも応用できそうですね。医療と企業の協力もますます深まっていくでしょう。今日は、ありがとうございました。

医師・専門家が監修「Aging Style」

この記事の監修・執筆医師

上田 由紀子
上田 由紀子(うえだ ゆきこ)

ニュー上田クリニック院長、国立スポーツ科学センター

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