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何が生きがいを支えているか?

高齢者の生きがいを生み出すものとして、「人に必要とされること」をまず挙げたが、そのほか生きがいを支えてくれるものに何があるだろう?

目標は未来に対する希望を生む
目標は未来に対する希望を生む

僕が生きがいについて考えるようになったのは、横浜市大の講師をしていた40歳の頃だった。
学生の一人が訪ねてきて、"卒業式で挨拶をするのだが、生きがいについて語りたいと思う。ついては生きがいとは何でしょう?"と聞かれた。
「おい、君は今まで考えずにきたのか?」と言いかけて、じゃ、俺はどうだと思い返したのが始まりである。
でもその時は考えるまでもなく、医師の仕事、患者のためという答えが難なく上ってきたのを思い出す。
そして神谷美恵子の名著「生きがいについて」など、そのテーマの本を読み漁った。

さて、では今もう一度問う。生きがいとは?
その一つは「目的意識」ではなかろうか。常に目的を持つこと。目標といっても良い。目標は未来に対する希望を生む。
これまではいつも目標は外からやってきた。合格、卒業、就職、昇進などなど。いつもその達成のために追われてきた。
そしてある時定年がやってくる。まるで人生の幕引きのように。
余計なお世話だと言いたい。
ならばこれからは第二の人生。目標は自分で創り出していく。自分のプロジェクトだ。
ライフシフトの著者たちはこれをポートフォリオと呼ぶ。そして複数のポートフォリオを携え、その時々の情勢と気分に応じて、同時進行させる。著者らのいうマルティプル・ポートフォリオのステージである。

僕も今、様々なプロジェクトを抱えている。
まずはこのサイト「エイジングスタイル」。
日頃言うようにアンチエイジングは知識で持っているだけでは意味がない。個々人の日常に落とし込まねばならない。ライフスタイルの問題である。そのお手伝いをするのがこのサイトと考えている。
そしてこのサイトでも度々取り上げたように、「美容医療の健全化」。このために、医師、行政そして企業を結びつける役を買って出ている。
三番目には「本の執筆」。
僕には40年来温めている課題がある。
題して「人間の愚かさの生理学的基盤」Physiological basis of human stupdityと英語名まで考えている。
僕に言わせると人間は矛盾の塊だ。まず自分がそうであることは認める。
その大もとは、人間は片っぽうでは大脳が異常に肥大し、理性を使って自分で判断を行うことにある。反面、動物としての本能も残し、その間にしばしば相克が生じる。
例えば食欲。腹八分が体のためには良いと理性は承知していても、食欲という本能に負けてつい食べ過ぎてしまう。
この成り立ちを医学的に分析してみたい。

皆さん、ここで自分なりの目標を定めて人生を充実させて行こうではありませんか?
こんな大それた目標でなくて結構。
写真や、園芸など「趣味の世界」に浸るのも良い。また、ボランティア活動に励むのも。カルチャーセンターで学びなおすのもありでしょう。何よりも、現役時代と違って時間を気にせず「旅を楽しむ」のもオススメです。

[執筆/編集長 塩谷信幸
 北里大学名誉教授、DAA(アンチエイジング医師団)代表]

医師・専門家が監修「Aging Style」

この記事の監修・執筆医師

塩谷 信幸
塩谷 信幸(しおや のぶゆき)

北里大学名誉教授
アンチエイジング医師団代表
NPO法人 アンチエイジングネットワーク理事長
NPO法人 創傷治癒センター理事長
医療法人社団 ウィメンズヘルスクリニック東京 名誉院長

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