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【ブラックペアン解体新書⑤】医療監修 渡邊剛医師が徹底解説 最終回直前 ドラマと現実の違いを一挙まとめ

現実とは異なる④ 機械か人間かの対立構造

ロケ協力でダビンチを操作する渡邊医師(左端)
ロケ協力でダビンチを操作する渡邊医師(左端)

ブラックペアンには、「ロボットの技術は人を越えるのか」という大きなテーマがある。これはドラマの中で何度となく出てきている。9話ではついに、国産ロボットを使って遠隔手術を行うシーンが描かれたが、基本はロボットとは対立構造だ。

「9話で渡海が国産の手術支援ロボットを遠隔操作したシーンが描かれていましたが、実際に既に2001年に、光ファイバーの海底ケーブルを通し米国ーフランス間で行われた大陸間横断の胆嚢手術、通称「リンドバーグ手術」が行われています。つまり、現実の方が大分早く進んでいるのです。
更にこちらの4回目でも述べた通り、ロボット手術をするまでには、研修や経験を踏まないといけないので、今までロボットを否定してきた渡海がすぐに使えたことには、驚きと疑問が残りました。 まぁ、それはさておき、ドラマでは、常にロボットと人間とが対立構造で描かれます。でも、現在の医療現場では、ロボットか人か、という論争はありません。ロボットというと、ボタンひとつでまるで人の手を介さず、機械が手術をするのだと思う方もいるのかもしれません。でも実際には、現在使われている機械、ロボットは手術の支援をするだけです。見えにくい深い部位を見えやすくしたり、人の手ではしにくい細かい作業をやりやすくする、といった支援をしているわけです。それを動かすのは、医師の技術です。AIでロボットを動かす時代も来るでしょうが、まだそういう段階ではありません。ですから、ロボットは信用できない、という対立構造は現在の医療ではありません。実際に、手術支援ロボットのダビンチは、保険適応になりました。それだけ成果を上げ、多くの医療機関が導入しているということでもあるのです。確かに、ドラマではロボットをしっかり使える医師があまりに少なかった(笑)。ドラマを見て、ロボット手術は危ない、という誤解だけは持たないでいただきたいと思いますね」(渡邊医師)

※ピアレビューとは:査読。ジャーナルが論文をスクリーニングする手段として取り入れられるプロセスで、その学問分野の専門家によって研究の評価をすること

医師・専門家が監修「Aging Style」

【渡邊剛先生プロフィール】 1958年生まれ、東京都出身。手塚治虫作品の主人公、天才外科医ブラックジャックに憧れ医師を目指す。金沢大学医学部卒業後、金沢大学・第一外科勤務後、ドイツ・ハノーファー医科大学留学。2000件にわたる心臓手術を経験し、日本人として最年少の32歳で心臓移植執刀医となる。帰国後、日本初の人工心肺を使用しない冠動脈バイパス術「OPCAB」や手術支援ロボットを導入した心臓手術など世界の最先端医療を取り入れ世界のベストドクターにも選ばれている。患者の負担が少ない手術を追及し続け「天使の手」とも称される天才心臓外科医。金沢大学第一外科教授を経て、現在、ニューハート・ワタナベ国際病院の総長を務める。
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