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幾つになっても男と女

これまで、健康長寿、アンチエイジングのモットーとして、「いくつになっても男と女」を掲げてきた。
そして、「...と言っても決して「失楽園」を奨励するわけだはないが」と慌てて付け加えることにしている。「では、どういうことで?」と改めて聞かれると、「ま、男女共お洒落心を忘れないことですかな」と逃げることにしている。

「男と女」は永遠の課題である。
そもそもなぜ男と女があるのだろう?
神様がそう造られたとキリスト教ではいう。
我が国ではおおらかで、イザナギ、イザナミという男女の神々がセックスして大和の国が生まれたことになっている。
ヒンドゥー教はもっとあからさまである。カジュラホの神々の交合図を思い浮かべて欲しい。
これはポルノではなく生命誕生の謳歌である。
そしてその生命繁殖の効率化のために、進化の過程で生まれたのがメスとオスだと生物学者はいう。
だから動物たちは繁殖期が終わると生命も終わる。生殖期がすぎてもしぶとく生き続けるのは人間だけで、しかも「抗加齢」などと言って、生殖期以上に寿命を伸ばそうとする。

若い時は虎に振り回される
若い時は虎に振り回される

そして人類は生殖期でも、受胎抜きにセックスだけを楽しみ、さらに生殖期をすぎてからもセックスを謳歌しようとする。
鷗外は自分のセックス体験を赤裸々に綴った自伝「ウィタ・セクシュアリス」で、性欲を虎になぞられている。
若い時は虎に振り回されて、怪我をする者も出るが、歳をとると虎もおとなしくなり、御しやすくなるものだと。つまり性欲というかリビドーは年と共に衰えて当たり前ということだ。

歳をとると虎も御しやすくなる
歳をとると虎も御しやすくなる

ここで注意して欲しいのは、高齢者でも虎に乗っていることだ。つまり歳を取っても、生命の維持のためには、虎すなわちリビドーは必要だということである。つまり「生きる意欲」とリビドーは切り離す事はできない。
これは高齢者でも性ホルモンことにテストステロンは生きる意欲を保つために必須という男性学の主張にも当てはまる。
さらに言えば最近の考えでは、生きる意欲、つまり活性化のためには女性でもテストステロンは必要であるという。

ここで付け加えておきたいのは、男性でも女性でも、男性ホルモン、女性ホルモンの二つを持っている。そのバランスで、男性性、女性性が決まるというに過ぎない。
高齢者の性ホルモン補充はこれからの課題のようだ。
僕の考えでは、何も金をかけてホルモンを補充しなくとも、異性との付き合いを大切にすることで、自前のホルモンを活性化する方が一石二鳥だと思うが。
ただその場合、"社会的通念を尊重しながら"という但し書きが入るが。

この大人の男女の付き合い方はどうあるべきか?
奥が深すぎるのでまた別の機会に。

[執筆/編集長 塩谷信幸
 北里大学名誉教授、DAA(アンチエイジング医師団)代表]

医師・専門家が監修「Aging Style」

この記事の監修・執筆医師

塩谷 信幸
塩谷 信幸(しおや のぶゆき)

北里大学名誉教授
アンチエイジング医師団代表
NPO法人 アンチエイジングネットワーク理事長
NPO法人 創傷治癒センター理事長
医療法人社団 ウィメンズヘルスクリニック東京 名誉院長

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