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腹一杯食べての栄養・カロリー不足!! 副交感神経優位でないと消化吸収は出来ない!〜カラダづくりのためのスポーツ栄養〜

神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部栄養学科 鈴木志保子教授
神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部栄養学科 鈴木志保子教授

7月28日、全国栄養士会のランチョンセミナーでは「カラダづくりのためのスポーツ栄養」と題して神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部栄養学科教授でスポーツ栄養士の鈴木志保子氏が講演した。(提供:サラヤ株式会社)

鈴木氏はまず、ジュニアアスリートの栄養摂取に関して多くの指導者が根本的な間違いを犯している点を指摘。「食事の摂取には限界があるが、運動量はそれに対してかなりの部分まで上げることが出来る。つまり、ジュニアアスリートが過剰な運動量のトレーニングを行った場合、いくら満腹になっても消費したエネルギーを補充することはでず、それは栄養不足となる。つまりおなか一杯食べても栄養不足という状態はごく普通に起こり得る現象で、この解決方法は運動量を減らして適正なエネルギー消費基準に持っていくしかない」と述べた。また、運動時には交感神経が優位になるが、食事の消化吸収には副交感神経が優位でなければならない。運動時間が多くなればなるほど交感神経優位の時間が多くなり、食事の消化吸収には不利な状態が増える。運動時間に関しても長く行う事は決して健康に良いとは言えないとも指摘した。

会場は満員立ち見、定員オーバー分に用意されたお弁当も品切れとなった!
会場は満員立ち見、定員オーバー分に用意されたお弁当も品切れとなった!

さらに、近年流行の「糖質制限」に関しては、自分の考えと前置きしながらも、そもそも糖質を制限するというのは、自分の適正量よりも多い状態を適正量に戻すために、オーバー分を制限するケースが多い。この場合は適正量に戻すという事なのでこれを制限というのはおかしい。また、タンパク質に関してもアスリートの多くは炭水化物系の米や小麦などから摂取するタンパク質を計算に入れていないケースも多く、中には適正量の300%などという選手も結構いる。さらに、カーボローディングに関しても、「これは試合前以外に行う事はなく、日常ではない手法」と述べ、さらに「ちなみに長距離選手の場合は、試合後は一旦体重を大幅に増やしてから、トレーニングで脂肪を落としていく手法を取る。筋肉を大きくしてその質を上げていかない限りワンランク上のパフォーマンスを得ることは出来ず、そのための栄養摂取方法は非常に大事である。ここがスポーツ栄養の醍醐味でもある」とも述べた。

[斬新な視点から健康・食・運動スポーツに関する情報を発信するWebマガジン「HealthBrain」2018年7月30日より転載]

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