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老いの嘆き〜読書の場合〜

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週刊朝日のコラム「コンセント抜けたか?」で嵐山光三郎が"歳をとったら「魔の山」を読め"と言っている。

へえ、あのトーマス・マンの代表作。旧制高校生の通過儀礼だったので、エッチラ・オッチラ読み終えた時は一体何が書かれていたかさっぱりわからなかった。「戦争と平和」は違った。出だしから引き込まれ、米川正夫の訳が順々に出版されるのを、毎回待ちかねて飛びついたのもである。そしてジャン・クリストフ、チボー家の人々、ゲーテの主要作品など、夢中で読みふけったのも懐かしい。いまだに心残りなのは「失われた時を求めて」である。何度か挑戦したが、紅茶にマドレーヌを浸すあたりから己の失われたときへ彷徨い始め、いまだに読了を果たしていない。ところで昔の愛読書を今読み返すに、社会経験もない10代の子供に何がわかったのか疑問に思う。

だが、内容が十分理解できるはずの今、いくら眼光紙背に徹したも、昔のような胸の高まりを覚えないのは悲しい。これも"老いの嘆き"の一つだろうか。

[アンチエイジングブログ! 2018年9月23日より転載]

アンチエイジングブログ!
http://blog.excite.co.jp/shioya-antiaging/

この記事の監修・執筆医師

塩谷 信幸
塩谷 信幸(しおや のぶゆき)

北里大学名誉教授
アンチエイジング医師団代表
NPO法人 アンチエイジングネットワーク理事長
NPO法人 創傷治癒センター理事長
医療法人社団 ウィメンズヘルスクリニック東京 名誉院長

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