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肥満により男性ホルモン(テストステロン)が低下する!前立腺がんはテストステロンが低いと悪性になる確率が高い!〜獨協大学埼玉医療センター泌尿器科 井手久満准教授〜

フジテレビ社屋で開催された「アンチエイジングin台場2018」の日本抗加齢協会セミナーの最終日(9月23日)に行われた「男性のアンチエイジング」と題した、獨協大学埼玉医療センター泌尿器科の井手久満准教授の講演内容をダイジェストでお送りする。

獨協大学埼玉医療センター泌尿器科 井手久満准教授
獨協大学埼玉医療センター泌尿器科 井手久満准教授

女性の結婚相手の条件の1つに高収入の男性があるが、実は1000万円以上の収入を得ている男性は全就労男性の0.4%しかいない。高収入はできる男性の条件の1つではあるが、これ以外にも、女性にもてる、スポーツ万能、性機能が強い、健康寿命が長い、正直で優しいといった項目ができる男の条件にあげられるが、これらは全て、テストステロンという男性ホルモンが関係していることがわかっている。

テストステロン値が高い人は成功する確率が高いということが研究でわかっている。これは男性ホルモンが多いとリスクを取るりやすくなるといった部分が関係していると思われる。ちなみに、逆の結果もあり、その分、失敗をする人も多いとのことだ。また、薬指の長い人はテストステロン値が高いということも研究結果からわかっている。

近年は草食系男子と言われる男性が増え、さらに絶食系男子なるものも出現してきた。面白いことに男性は独身の時代は高かったテストステロン値が、恋愛をすると下がり、結婚して父親になるとさらに下がってくる。そのうえ、子供と添い寝をすることによっても下がり、今、流行りの育メンは精巣が小さい傾向にある。

加齢とともにテストステロン値は下がってくるが、LOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)の患者は現在、日本で600万人と推定されている。テストステロン値は個人差が大きいが、低下してくると、精神症状として健康観の減少、不安、イライラ、うつ、不眠、集中力の低下、記憶力の低下、性欲の減退など、また、肉体的には筋力の低下や疲労感、ほてり、発刊、頭痛、めまい等、様々な症状として現れる。

テストステロンが減少する原因の1つに肥満がある。日本の男性の肥満の数は2020年には1995年の6倍にもなるとの試算があり、現在全男性の3割が肥満である。前立腺がんと肥満に関する研究論文も2000年頃は年間10本程度であったものが、2010年には100を越している状況である。前立腺がんは最も増加率が高く、がんの中で男性の罹患率は1番となってしまった。

もう一つ、前立腺がんはコレステロール値が高いと転移する確率が高くなる。実は、前立腺は肝臓の約5倍コレステロールを取り込むことがわかっており、さらに驚くべきことにがんがコレステロールを産出していることも分かってきた。

また、前立腺がんはテストステロンが低いと悪性になる確率が高い。つまりテストステロン値が悪性前立腺がんのバイオマーカーとなる。しかし、生活習慣を改善すると前立腺がんの予防になることもわかっている。

現在農林水産省で進めている、「機能性を持つ食品の開発プロジェクト」では、玄米や鮭(アスタキサンチン)、玉ねぎのクエルゴールド(ケルセチン)、人参のこいくれない(リコピン)など様々な生鮮品の機能性が研究されているが、これらの素材を使った機能性弁当による介入で、体重と胸囲が減ったばかりか、酸化ストレスマーカーである8OHdG値が改善した。

テストステロンは健康長寿のバイオマーカーとなり得る。また、テストステロンは海馬で作られるが、5αリダクターゼによりテストステロンが代謝されたDHT(ジヒドロテストステロン)の値は運動すると上がることも分かった。

テストステロン値が高いと寄付をしやすくなったり、嘘をつかなくなう事も分かっており、また、人生を楽しんでいる意識の高い人は総じてテストステロン値が高いと思われるが、脳卒中や心臓病による死亡率が半減することも分かっている。

[斬新な視点から健康・食・運動スポーツに関する情報を発信するWebマガジン「HealthBrain」2018年10月5日より転載]

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