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美容外科学会雑感①美の提供法

25〜26日に行われた日本美容外科学会総会(JSAPS)に行ってきました。 シンポジウムなどの取材記事とは別の、雑感です。

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JSAPSのほうは、正会員資格の条件が「日本国の医師免許並びに(社)日本形成外科学会正会員の資格」なので 皮膚や皮下構造、骨格について学び、形成外科治療はもちろん、美容外科手術の合併症や、いわゆる失敗手術の修正手術の経験をしている医師も多いのが特徴です。

今回も"修正して、満足してもらえるよう仕上げた症例"は顔だけでなくたくさん見せていただきました。 多くの症例から、どんな治療法がリスキーなのか、どんな仕上がりだと患者さんに不満が残るのか、という情報も得られます。

が、目標は「美しく」なので、難しい。 患者本人が目指す美が、「キャラに合わない」とか、「全身バランスと合わない」とか、「不自然」に思える場合にどうするか? という問題がつきまとうわけです。 執刀する医者だって、それぞれ「美の基準」をお持ちだし、「好み」もありますしね。

そして、多くの場合、予算もありますよね。予算内でシンプルな手術を受けて満足感が得られればいいけれど。 「鼻を高くしたくてプロテーゼを入れたら、目もとや口もとのバランスが悪くなって追加手術をした」とか 「小顔にしたくて輪郭の骨を削ったら不自然に小さくなったので、修正手術を行った」という例もあります。

つまり、患者さんの希望通り ①鼻を高くしたい → 鼻にプロテーゼを入れて高くする手術 だけで満足してもらえるなら、鼻手術だけの費用。

けれど、後々に不満を感じて修正手術をする場合とか、 「鼻だけ手術してもバランスが悪いから、鼻の下やあごの手術もするほうが良い」という提案を受ける場合は 再度の治療で費用がより高額になってしまうわけです。

あるシンポジウムでは、講演をした医師に、会場の医師からの問いかけもありました。 「希望どおりの箇所だけに治療をすれば、費用も高くならないので患者さんのためになるのでは?」と。

問いかけられた医師は、他院で希望通りに仕上げてもらえなかった患者さんの修正手術の症例を話していて "鼻だけ"のような外科手術では顔全体のバランスが崩れる例を多く見ているわけです。 「うーん・・」としばし考えてから 「費用的にはそうかもしれないけれど、手術の結果、周りからほめられたリ、 外見が重視される仕事の方なら、収入が増えたとか、そういういい変化につながる治療をしたいので」 ということを話されていました。

そう。美容外科手術で劇的に変えることはできるのですが、顔全体のバランスが崩れる場合や、他のパーツが悪目立ちすることがあるのです。 そこを見越した提案を行い、結果的に複数個所の手術となって高額見積もりになってしまうのか、 希望する部分の手術のみを行ない、後日、不満が出たら再手術をするのか。

どちらのアプローチをするのかは、医師によっても違うし、クリニックの方針によっても違います。

ただ、バランスや自然さまでを含めたアドバイスをしてもらえれば、患者側は考えることはできますよね。 気づかなかったことに気づかせてもらえる可能性があります。 顔は自分のものですが、他者からのアドバイスは聞き、手術をするのか、どうするのか よく考えることが重要だと、「悩み、迷う」という医師たちを見て思いました。

[美容・医療ジャーナリスト海野由利子公式ブログ 2018年10月29日より転載]

美容・医療ジャーナリスト海野由利子公式ブログ
http://ameblo.jp/uminoyuriko/
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