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お洒落も治療になる。がん治療で注目される『アピアランスケア』の力

2人に1人が罹患する「がん」をはじめとして、治療をしながら仕事や家事も行なう人が増えている。病気になってからも続く日常をよりよくするために様々な活動も始まっている。そのひとつが、外見に着目した『アピアランスケア』だ。自身の闘病とアパレルの経験をいかし、装う視点からアピアランスケアを提案している塩崎良子さんの活動を紹介する。

もし、あなたの人生があと5年しかなかったら?

「TOKIMEKU JAPAN」代表 塩崎良子さん
「TOKIMEKU JAPAN」代表 塩崎良子さん

塩崎良子さんは現在「TOKIMEKU JAPAN」という会社の代表として活動をしている。アパレル会社を起業したのは25歳のときで、その4年前(2014年)に若年性の乳がんが見つかったという。
塩崎さんはこう問いかける、「もし、あなたの人生があと5年しかないとしたら、どんな場所でどんなことをしたいと思いますか?」。がん発覚当時、塩崎さんの病状は思った以上に進行しており治療に専念することを選択し、会社は閉じることとなった。

しかし、抗がん剤の副作用で髪が抜けていく現実に直面し、朝目覚めるたびに死の恐怖を感じていたという。

「仕事を辞めたことで社会との接点がなくなり、自分のアイデンティティも失ってしまったのです。今思うと、"うつ"のような状態だったと思います。そんなとき、私がアパレルの仕事をしていたと知っている主治医から、乳がん患者さんと医者のファッションショーをやってくれないかと依頼されたのです」

闘病中だった塩崎さんは、「患者さんはオシャレなんかしたいのかなぁ?」と疑問に思い、悩んだ末に引き受けることにし、服やアクセサリーを用意して病院内で行なわれたファッションショーは大成功をおさめた。

「それまで笑顔の少なかった患者さんたちも、明るい色や華やかなプリントの服を着て、帽子やアクセサリーをつけるとパッと笑顔になったのです。外科の先生たちも白衣を脱いで衣装を着て、患者さんをエスコートしてくださり、ステージではみなさん元気に楽しそうに歩かれて、とても輝いていました。そんな様子を目の当たりにして私は嬉しさと感動で震えが止まらず、その日から"もう一度働こう"と思うようになりました」
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