文字サイズ
標準
大きく

「今、大麻が危ない!」

芸能人カップルの逮捕により脚光を浴びている大麻。これまでその危険性を巡り世界中でさまざまな論議を呼んできた。

出典:「薬物乱用防止読本 パート30」(厚生労働省)
出典:「薬物乱用防止読本 パート30」(厚生労働省)

脳内の睡眠物質や覚醒物質の研究で著名な裏出良博氏(元・筑波大学教授、現・東京大学アイソトープ総合センター)に大麻の危険性について話を聞いた。同氏は2017年に筑波大学で大麻の幻覚成分「カンナビノイド」の危険性に関する研究を行い、その成果は英国の科学誌 "Scientific Reports" オンライン版に掲載された。

「2017年に私たちの研究グループが行った研究では、マウスにカンナビノイ ドを投与し、脳波や行動の変化を観察しました。使用したのは大麻草の主成分で一部の国では嗜好品や医薬品として使われる天然由来のカンナビノイ ド『Δ9-テトラヒドロカンナビノール(Δ9-THC)』と、違法ド ラッグなどに使われる合成カンナビノイ ド『JWH-018』です。」

「これらが投与されたマウスの脳波ではてんかんの発作が確認されたほか、興奮して跳ね回るなどの異常行動を示したり、痙攣発作から呼吸困難に至り死亡したマウスもいました。実験用マウスによる研究結果でしたが、人間の場合でも摂取量によっては重篤な健康被害を与える可能性があるという結論に至りました。最近合法化されたカナダなど、一部の国や州で大麻が合法とされていますが、科学的には大麻が人体に危険なことに変わりないと考えています。」

警察庁によると昨年1年間の大麻による摘発人数は3,578人で過去最多。摘発者の半数以上が10代~20代の若者で、中高生の人数が前年の約1.5倍になるなど若年層で大麻使用者が増加しているという。毎年5月1日から6月30日までの2ヶ月間、各都道府県と連携して「不正大麻・けし撲滅運動」を展開する厚生労働省はホームページに「今、大麻が危ない!」と題した啓発ページを掲載しているので参考にされたい。

医師・専門家が監修「Aging Style」


「今、大麻が危ない!」(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000193406.html


Natural (∆9-THC) and synthetic (JWH-018) cannabinoids induce seizures by acting through the cannabinoid CB1 receptor
(和訳: 天然(∆9-THC)および合成(JWH-018)カンナビノイドはカンナビノイド CB1 受容体を介して発作を引き起こす)
https://www.nature.com/articles/s41598-017-10447-2
(掲載誌: Scientific Reports 7: 10516. doi:10.1038/s41598-017-10447-2)

この記事の監修・執筆医師

注目情報

有益で確かな情報をお届けするという編集方針です。

Aging Style×GOOD DESIGNトークレポート(9)

2019年4月現在、50名の医師や専門家が「Aging Style」に参加しています!

おすすめ記事