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非・劇的ビフォーアフター「見た目のアンチエイジング」

トランプ大統領が令和初の国賓として来日した。
国賓にふさわしい人物なのか、いや、それ以前に大統領にふさわしい人物なのか。最近のアメリカの状況を見て思うことはいろいろあるが、それでも僕はアメリカという国が好きだ。外科医としての僕を育ててくれた母国でもある。

僕は医学部卒業後、インターン先として迷わず米軍極東中央病院を選んだ。当時米軍に接収されていた現在の聖路加国際病院だ。その1年後の1956年には渡米し、以後はニューヨーク州立大学オルバニー校の大学病院で8年間、日本に一時帰国することもなく形成外科医として働いた。

それは美容外科医としての基礎のみならず、「美」や美術、芸術全般に関するセンスや見識を養う機会としても貴重な8年間だった。そのためか、日本に帰国して55年経つ今でもアメリカをはじめとする欧米のアート情報や書籍に対する興味が尽きない。

少し前の話になるが、2014年に"The Brown Sisters. Forty Years." という写真集がアメリカで出版された。これはニコラス・ニクソンというボストン在住の写真家が1975年から2017年まで毎年、自身の妻と彼女の3人の妹たちのポートレートを撮り続けた作品シリーズを写真集としてまとめたもの。2014年は40年目という節目の年だった。

Forty Portraits in Forty Years (The New York Times)
https://www.nytimes.com/interactive/2014/10/03/magazine/01-brown-sisters-forty-years.html

Four Sisters Take the Same Photo for Over Forty Years... (YouTube)
https://youtu.be/DpAjqlez8R4

ご覧の通り、個々の写真の構図は年によって異なるが、恐らくノーメイクの4人姉妹が毎年同じ並び順で撮影された40枚の写真。年代順に眺めていると、加齢や老化、アンチエイジング、さらには家族についていろいろと考えさせられる。

この40余年をひとかたまりの加齢・老化プロセスとしてとらえた場合、4姉妹の見た目の「ビフォー(1975年)アフター(2014年/2017年)」の差は劇的だが、当然のことながらこれはある程度長生きすれば誰もが通る道。この写真シリーズの場合、そのプロセスを「1年刻みのビフォーアフターの連なり」として見渡すことができることがポイントだ。

「見た目のアンチエイジング」非・劇的ビフォーアフター
「見た目のアンチエイジング」非・劇的ビフォーアフター

これをさらに細分化すれば日々の加齢や老化、あるいはその裏返しとして、日々の抗加齢・抗老化という話になる。そのベースにあるメカニズムは「チリも積もれば山となる」。アンチエイジングの基本は「避けることが可能な老化要因は(無理のない範囲で)できるだけ避ける」ことの積み重ねだろう。

僕が専門とする美容医療や見た目アンチエイジングの場合は特に、即効性のある手段や方法がいろいろある。だが短期間で劇的な変化を追求すると体に何かしらの無理が生じることも多い。見た目のアンチエイジングの場合は医学的・機能的な無理や不具合だけでなく見た目の不自然さという要素も加わる。「劇的」ならぬ「悲劇的」ビフォーアフターを招かぬためにも、変化を追求する期間や度合いは無理せずあまり劇的ではない、つまり「非・劇的」ビフォーアフターを目指すことをお勧めしたい。

[執筆/編集長 塩谷信幸 北里大学名誉教授、DAA(アンチエイジング医師団)代表]

医師・専門家が監修「Aging Style」

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