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老化を「治療」する時代がやってくる!?

物差しとしてのエピジェネティック時計

講演の副題である「epigenetic clock(エピジェネティック時計)」は、年齢に関する一般的な概念の「暦年齢(chronological age)」とは別に細胞の老化度から求める「生物学的年齢(biological age)」の基準となる時計とされ、山田氏はこれを「年齢と最もよく相関するオン/オフの遺伝子スイッチのセット」と表現。特定のDNAの「修飾」(メチル化)レベルにより老化に関わる遺伝子の発現スイッチがコントロールされるという仕組みを解説した。エピジェネティック時計は2013年に人類遺伝学・生物統計学者スティーブ・ホーバス氏(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)が発表し、本人の名を冠して「ホーバス・クロック(Horvath's Clock)」と呼ばれるものが最も著名で、これに基づく生物学的年齢と暦年齢の1年の差は死亡リスク2~4%の差に換算されるという。

日本抗加齢医学会が9番目の専門分科会として今年立ち上げる「抗加齢ゲノム医学研究会」の代表も務める山田氏は、ホーバス氏のものとは異なる「遺伝子スイッチのセット」から成るエピジェネティック時計や別種の生物学的時計の研究も進んでいるという。重要なのは、加齢・老化を「治療」する時代が視野に入る中、そのための「物差しが見つかっていること」だとして、日本でも学界だけでなくメディアも海外における今後の研究動向などに注目して欲しいと結んだ。

なお、今回のメディア向けセミナーのメインは今月14日から16日まで横浜市で開催される第19回日本抗加齢医学会総会の紹介。医学会総会や併催される「アンチエイジングフェア 2019 in 横浜みなとみらい」イベント概要については以下の記事を参考にされたい。

「異次元アンチエイジング」とは?! 「第19回日本抗加齢医学会総会」6月14日~16日に開催
http://www.agingstyle.com/2019/05/30002816.html

医師・専門家が監修「Aging Style」

【参考文献】

Aging as a Biological Target for Prevention and Therapy
https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2703112
JAMA. 2018;320(13):1321-1322. doi:10.1001/jama.2018.9562


Healthy Aging: American Geriatrics Society White Paper
https://www.americangeriatrics.org/media-center/news/we-all-want-healthy-aging-what-it-how-do-we-promote-it-new-ags-report-looks https://doi.org/10.1111/jgs.15644

この記事の監修・執筆医師

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