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精神疾患認定された「ゲーム障害」欧米の研究は「対戦型」、日本は「協力型」?

WHO「ゲーム障害」認定を巡る賛否

「ゲーム障害」という精神疾患が認定されることはゲーム業界にとっては名誉や死活に関わる問題。業界内ではWHOや賛成派の専門家に対する否定・批判のオンパレードだったが、医学界では賛否両論が飛び交った。ゲーム障害が疾患として認定されることにより治療を必要とする患者が適切な治療を受けることができるようになるという賛成派に対し、ゲーム障害やゲーム依存に関する科学的な証拠があまりにも不十分だとする反対派。

精神医学において国際的に使用されているアメリカ精神医学会(American Psychiatric Association、APA)の診断基準「精神障害の診断と統計の手引き(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)」の2013年に改訂された第5版、通称「DSM-5」では「インターネットゲーム障害(Internet Gaming Disorder)」が「今後の研究のための病態(Conditions for Further Study)」として扱われている。WHOのICDにはこのような経過措置的な分類が存在しないことで、ICD-11へのゲーム障害の追加においては「科学的な証拠」の質や量を巡る議論に拍車がかかった。

また医学界の外では、ゲーム障害が精神疾患として認定されることによりゲームという趣味・娯楽やいわゆるゲーマーに対する偏見や差別が助長されるという反対意見が噴出する一方、疾患認定により病気としての線引きが明確化されることでゲームやゲーマー全般に対する過度の偏見や差別を抑制することができるという賛成意見も出た。WHO採択前月の4月には、ICD-11を巡る議論に直接関与するものではなかったものの、「孤島で他の99人のプレイヤーとともに最後の1人になるまで生き残りをかけた戦いを繰り広げる」という前述のフォートナイトに関して英国ヘンリー王子が「中毒になるように作られている」と批判。英国では禁止されるべきと発言したことがゲーム障害の議論の火にも油を注いだ。

その後、5月下旬にICD-11が採択された後は論戦も急速に鎮静化し、各界では2022年1月の発効へ向けた実務的な検討や対応が進んでいるようだ。


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