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精神疾患認定された「ゲーム障害」欧米の研究は「対戦型」、日本は「協力型」?

欧米は「対戦型」、日本は「協力型」?

一方、アジアのゲーム大国である日本では欧米のような激しい論争は起きず、各界はICD-11採択に至るまでの海外での経過を見守ったようだ。ゲーム業界側では今のところ、5月のICD-11採択に先立ちコンピュータエンターテインメント協会(CESA)をはじめとする業界4団体が合同で、「科学的な調査研究に基づく効果的な対策を模索することを目的に、公正中立で専門性を持つ外部有識者による研究会に、調査研究の企画や取りまとめを委託する」とする発表にとどまっている。

もともとゲーム障害がICD-11に追加されるきっかけを作ったのは2011年に日本初となるインターネット依存の専門診療を開始した国立病院機構久里浜医療センター。樋口進院長をはじめとするチームは診療の傍らゲーム依存に関する論文などを海外で幾つも発表し、ICD-11の疾患認定に大きく貢献した。2011年といえばスマートフォン向けソーシャルゲームの「コンプリートガチャ」の射幸性や中毒性が社会問題化しつつあった時期だが、PCオンラインゲームの中毒性は既に2000年代後半から韓国など一部の国では深刻な社会問題になっていた。あくまでもマニア中心の現象だったゲーム依存の潜在的な裾野を劇的に拡大したのはスマートフォンの普及だ。それとともに近年は、2018年5月に「ネット・ゲーム依存外来」を開設した神戸大学医学部附属病院など、ゲーム依存を扱う総合病院やクリニックが全国で徐々に増えている。

ゲーム業界では伝統的に、欧米ではアクションやシューティングなどのゲームジャンルの人気が高い一方、日本ではロールプレイングやアドベンチャーなどの人気が高い。オンラインゲームやスマートフォンゲームの時代を迎えてからも、欧米では対戦型ゲームを好むプレイヤーが圧倒的に多いのに対して、日本では協力型ゲームを好むプレイヤーが多いと言われる。国内ではゲーム依存者が自分の意志でゲームに区切りをつけられなくなる理由として「他のプレイヤーに迷惑をかけてしまうから」が挙がるケースも少なくないという。日本人の国民性が表れているのではないだろうか。


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