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消費税率引き上げと老化、共通点は「ゆでガエル」?

人生「○○年」時代?

2年前に「人生100年時代」が登場するまで使われていたのは「人生90年時代」。ある日を境に一気に10年も人生が長くなってしまった。

その10年前、舛添要一氏が厚労大臣だった当時は「人生85年時代」。そのさらに数年前、僕が本格的にアンチエイジング医学に取り組むようになった当時は人生80年時代だった。政府は人生の長さを勝手に、平均寿命延伸よりも遥かに早いペースで延伸させているようにも見える。

「人生80年時代」と言われていた当時は、もうその時代が到来したという意味で使われていたと記憶しているが、その後の「人生○○年時代」ではそれがいつ到来するのかという点が曖昧だ。人生100年時代キャンペーンのきっかけとなった「2007年に日本で生まれた子供は107歳まで生きる確率が50%」という研究結果を聞いても、なんだ100年先の話かと拍子抜けするような楽観主義者の僕が気にしても仕方ないことかもしれないが。

到来のタイミングはいずれにしても、政府は「人生100年時代」というキャッチフレーズをうまく使っている。最大の目的である社会保障制度や労働市場の改革という危機回避策を阻むような「不健康長寿化」が進行しないよう、巧みに国民の健康意識向上や健康的な生活の実践のための舵取りを図っている...と書くと批判的に聞こえるかもしれないが、実はこれは悪いことではないと考えている。

既に「ゆでガエル」と言われて久しい経済や社会保障制度という大きな鍋の中にいる国民それぞれが、自分自身の健康や老化に関する小鍋の中に入っているという二重構造を思い浮かべてほしい。人生100年時代キャンペーンは、「老化や不健康に関してゆでガエルにならないように」という、政府から国民に対するありがたい警鐘だと前向きに受け止めることができるのではないだろうか。

[執筆/編集長 塩谷信幸 北里大学名誉教授、DAA(アンチエイジング医師団)代表]

医師・専門家が監修「Aging Style」

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