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健康のための処方箋の一つは... 芸術!

11月もいよいよ下旬、秋も終盤だ。
世界保健機関(WHO)欧州地域事務局は今月、芸術の秋にふさわしい、「What is the evidence on the role of the arts in improving health and well-being? (健康と幸福の増進における芸術の役割に関するエビデンスとは?)」と題した報告書を公開した。

芸術=健康問題に対するクリエイティブな解決策
芸術=健康問題に対するクリエイティブな解決策

この報告書は、同局が2003年にスタートした「HEN」(Health Evidence Network/健康エビデンスネットーワーク)と呼ばれる、ヨーロッパの各国政府が自国の医療福祉政策を検討する上で参考になるような調査・研究を行うプログラムの最新報告書。今回テーマとなったのは美術や音楽、文芸、演劇、映画をはじめとする芸術と健康だ。

この20年ほど、ヨーロッパの国々を中心に芸術が健康と幸福に及ぼす影響に関するさまざまな研究が行われ、その成果は国の政策や民間の活動にある程度反映されてきた。だが、それらの根拠となるエビデンスの存在は必ずしも十分に認識されていないことに加え、各国の政策や活動はヨーロッパ全体としての一貫性や統一性を欠いていることも多いという。そんな状況を受け、同局は芸術の健康に対する影響や効果に関するエビデンスの網羅的な検証・整理に取り組んだ。

研究チームは、2000年1月から2019年5月までに英語またはロシア語で公表された3000件を超える芸術関連の医学文献を検証。芸術の効果やその他の影響を、①疾病予防と健康増進、②疾病管理と治療の2分野に分け、一定の条件を満たしたエビデンスを整理・分類した。それらの中にはたとえば、音楽には糖尿病や高血圧症による高血圧を軽減する効果があるとした研究、グリーフ(悲嘆症)やうつ病、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を患う子供の症状が絵を描くことで軽減されるとした研究、子供に対する本の読み聞かせが集中力や学力を向上させるとした研究などが含まれている。

同局は、ヨーロッパ各国の関係機関がこれらのエビデンスを自国内の政策や関連活動に反映することにより、ヨーロッパ全体としてのエビデンス認知度や活動の一貫性が向上することを狙っている。

医師・専門家が監修「Aging Style」

【参考】

WHO Europe: What is the evidence on the role of the arts in improving health and well-being? A scoping review (2019)
http://www.euro.who.int/en/publications/abstracts/what-is-the-evidence-on-the-role-of-the-arts-in-improving-health-and-well-being-a-scoping-review-2019

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