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1日平均死亡数4000人超 根絶へ向けた合言葉は "End TB!"

今日3月24日は「世界結核デー(World TB Day)」。
「TB」とは「tuberculosis(結核)」の略称で、欧米ではこの呼び名が定着している。1882年にドイツの医師で細菌学者のロベルト・コッホが結核菌の発見を発表した日にちなみ、世界保健機関(WHO)は1997年に毎年3月24日を世界結核デーに制定した。

3月24日は世界結核デー
3月24日は世界結核デー "End TB!"

WHOによれば、2018年の結核発症者は全世界で1千万人にのぼり、死者は約150万人。1日平均4千人以上が結核で命を落とすという、世界で最も致命的な感染症だ。2014年5月の世界保健総会では「結核終息戦略(End TB Strategy)」が採択され、結核罹患率を2025年までに50%、2035年までに90%削減する(いずれも対2015年比)という目標とともに、"End TB!"というスローガンが掲げられている。

国内に目を向けると、かつて昭和20年代までは日本人の死亡原因の第1位で「亡国病」と恐れられた結核は、その後の医療の進歩や生活水準の向上により完治できるようになり患者数は大幅に減少した。だが、今でも年間15,000人以上の新規患者が国内で発生し、毎年約2,000人がこの病気で命を落としている。

結核の症状は...

結核は、結核菌という細菌が体の中に入ることによって起こる感染症。結核菌は主に肺の内部で増え、咳やたん、発熱といった風邪のような症状が出る場合が多いが、そのような症状が数週間にわたり続く点が風邪とは異なる。腎臓やリンパ節、骨、脳など肺以外の臓器に影響が及ぶことも多い。特に高齢者の場合、結核を発症していても症状が軽症のまま経過することがある一方、子供の場合は目立った症状もなく進行することも多く、悪化すると全身に及ぶ重篤な結核につながりやすいため注意が必要だ。

2019年8月に厚生労働省が公表した「平成30年 結核登録者情報調査年報」によれば、日本の結核罹患率は近隣のアジア諸国に比べ低い水準にあり、アメリカをはじめとする他の先進国の水準に年々近づいている。だが、受診や診断の遅れにより発生する新規患者の割合はあまり減少していない。

結核を発症してしまった場合でも、早期発見ができれば重症化を防げるだけではなく家族など周囲への感染拡大を防ぐことができる。早期発見のために重要なのは、早めの受診と、正しい診断に役立つ情報を医師に伝えることだ。

厚労省は、せっかく受診しても患者が医師に十分な情報提供ができない場合や、医師が風邪と診断して必要な検査をしないことで結核が進行してしまうケースも多いとして、たんのからむ咳が2週間以上続いている場合や、微熱・身体のだるさが2週間以上続いている場合は早めの受診を呼びかけている。あくまでも2週間以上にわたりこのような症状が続いた場合とされているが、初期段階も含めた情報が医師に正しく伝わることで、仮に結核以外の病気であったとしても適切な検査や診断に至る可能性も高くなる。

医師・専門家が監修「Aging Style」

【参考】

WHO:"World Tuberculosis (TB) Day 2020"
https://www.who.int/news-room/campaigns/world-tb-day/world-tb-day-2020
厚生労働省:「平成30年 結核登録者情報調査年報集計結果について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000175095_00002.html

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